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2018/12/19

敵から逃げたら切腹。小池改革は100%正念場。

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こんにちは。東京都議会議員(大田区選出)のやながせ裕文です。

 

 

先日は、本会議で一般質問にたちましたが、時間はなんと6分!テーマを絞りながらも、言いたいことの半分も言えず。でも、1年に2回登壇する議員はほぼゼロのなか、私は今年2回目の本会議質問で、会派が二人になり質問時間が増えたことによるもの。有難いことです。

 

 

さて、質問は大きく二つのテーマを取り上げました。偏在是正措置を撤廃するためには、税制の抜本改革のみならず統治機構改革が必要だという主張。これは前回のブログで触れましたのでご一読を。二つ目は「東京大改革」について。これは危機的な状況ですね。

 

 

そもそも、小池知事や都民ファーストの会が選挙時に叫び、都民が支持した「東京大改革」とは、いったい何だったのでしょうか?

 

 

これまでも、この根本的な問いを投げかけてきましたが、はっきりとした回答はなし。発言していた当事者もわからずに「大改革!」を連呼していたのかもしれません。そこで一般質問で私なりの解釈を以下のように述べました。

 

 

汗水流して納めた税金が、なんだかよくわからないところに使われている。特定の企業や、団体や、政治家や、政党や、職員のために使われているのではないか。

こういう思いに対し、情報公開によって透明化し、構造的に無駄なシステムをなくし、公正に効率的に税が投入されていると実感できるようにする。将来世代の利益のために、現在の利権を一掃する。これが東京大改革が目指す姿ではなかったでしょうか?

 

 

小池知事や都民ファーストの会が熱狂のなかで誕生したのは、オリンピック成功のためでもなく、受動喫煙防止のためでもなく、東京の抜本的な「構造改革」を望んだからに他なりません。勝負師の小池さんなら変えてくれるだろう、と。

 

 

しかし、その期待にどこまで応えられているのでしょうか?

 

 

利権を一掃し「構造改革」を推進する装置として期待され、東京大改革の心臓部と呼ぶべきものが、鳴り物入りで発表された「2020改革プラン」でした。

 

 

昨年度末に発表された「2020改革プラン」が画期的だったのは、都の各事業のあり方そのものを検証し、工業用水道の廃止、発電や下水道事業のコンセッションなど、大胆に経営形態の変更にまで踏み込んだ提案がなされ、手を付けることが出来ずに先送りしてきた課題に真正面から挑んできたものだったからです。

 

 

しかし、その後どうか。昨年度末に発表されたバージョンは、東京都の事業を69事業に区分したうちの15事業について分析・提案されたものでした。残された54事業について「見える化改革」の報告書が次々とアップされていますが、どの事業もその「あり方」を厳しく精査された様子もなく、「見える化」の肝である、目標転換、再構築、競争性テストはスルーされ従前の方向性をなぞったものばかりです。

 

 

なぜこのようになったのかと言えば、それは簡単で、3月末に行政改革のエキスパートである上山信一氏を筆頭とする「外部顧問」がいなくなったからです。改革は内部ではできない、だから外部の目を入れた。しかし外部顧問を解雇した。内部のみでやったから、改革ではなく改善運動になってしまった。わかりやすいですよね。

 

 

改革が進めば、抵抗が起こる。急進的な改革を恐れた既得権益勢力は、猛反発し、改革のエンジン役を機能しないように企図した。改革の強力な推進役である「外部顧問」を活用し続けることができるかどうか。これが小池改革の踏ん張りどころだったのです。ところが、道半ばであっさりと解雇。

 

 

この間の知事の姿勢を見ていると、厳しい政治状況にあるのはわかりますが、改革を妥協しすぎているのではないかと感じます。政治に妥協は必要。しかし、妥協しすぎているのではないか。

 

 

向こう傷は問わず。

 

 

敵に向かっていって出来た傷は誉れ。小池知事就任一年目は、オリンピック・パラリンピック会場費用の削減、入札制度改革など果敢に挑戦をした。結果については、成果を残すことができず賛否があるでしょう。しかし、私は、この失敗は「向こう傷」で、その挑戦を前向きに捉えています。

 

 

しかし、この一年はどうか。言われるがまま外部顧問を解雇し、最近では、自民党に謝罪をしたという。これは一体、何を謝罪したのでしょうか。敵に背を向けてできた、逃げ傷は許されません。武士の世なら切腹です。熱狂し、支持をした都民は許さないでしょう。

 

 

今後も、小池都政における「真の改革」と「まやかしの改革」を厳しくチェックし、真の改革であれば、きっちりと後押しをし、まやかしの改革であれば、厳しく糾弾していきます。