こんにちは。東京都議会議員(大田区選出)のやながせ裕文です。

 

今日は、「地方議員年金の復活」について。

 

まさかこのご時世に、「議員特権」の象徴として葬られた「議員年金」の復活を画策する輩がいるとは思わなかったから、正直、かなり驚いている。

 

議員自らの「身を切る改革」を改革の端緒と考える日本維新の会は、この水面下での動きをキャッチし、いち早く反対の狼煙をあげている。

 

地方議会議員年金制度は、国会議員互助年金や公的年金とは異なり、政策的に設けられた互助年金制度だが、制度が破綻する見込みとなったことから、平成23年に廃止されたもの。これに先立ち、平成18年には「国会議員年金」が特権と批判され廃止に追い込まれている。
しかし昨年7月に、突如として、全国都道府県議会議長会において、廃止された地方議会議員年金に代わる「新たな地方議会議員の年金」として、報酬比例部分のある公的年金制度への加入を求める決議がなされ、9月には、各地方議会において同制度への加入を求める決議がなされることを求める活動方針が示された。

 

今年にはいり、この方針に基づき、各地方議会では意見書を採択し、共同通信の集計によると、その数は地方議会の半数以上にあたる900議会にのぼるという。

 

東京都議会では、まだ「地方議員年金復活」の意見書が提案される気配は感じられない。各地方議会では第一党の自民党が中心となって進めているが、都議会では数を大きく減らしているため、注目を集めるなか、なかなか提案に踏み切れないのだろう。

 

しかし、今年7月には自民党のPTにおいて年金関連法案改正案の概要が了承されるなど、法案提出への着実な布石がうたれつつある。

 

都議会の決議がなくても「年金復活法案」の提出は可能だ。ポイントは地方議員が自分たちで年金復活を決めるのではないということ。地方議員の待遇に関することだが、法改正だから審議する場は国会であり、国会議員の多数によって決まる。

 

つまり、地方議員は「国会で決まったことだ!」と言い訳ができるし、国会議員は「地方議員が可哀そうだから」といいヒトとなることができる。批判の相手が定まらず、直撃を回避できる仕組みだ。

 

そもそも、地方議員年金制度は廃止されたが、いまだに巨額の財政支出が続いている状況がある。

 

元議員等の既存支給者への給付を公費対応としたため、制度の完全廃止までの地方自治体の負担は、約1兆1千400億円(総務省試算)にものぼる巨額なものとなっている。原資はすべて税金であり、国や各地方自治体の財政運営に少なからぬ影響を与えている現状だ。

 

地方議員年金制度廃止の後始末のために、莫大な税金投入がこの先数十年も続く上に、さらなる税金投入が必要となる“特権的地方議会議員年金制度”を復活させることは、到底理解を得られるものではない。

 

「議員のなり手がいない」ことを復活の理由としているが、待遇の改善が必要と考えるなら、各議会で必要性を訴え「議員報酬」の増額を堂々と主張すればよい。長期に渡って財政支出を強いられる「年金」ではなく、財政状況に応じて速やかに変動することができる「議員報酬」で対応するべきだろう。

 

都道府県議長会のなかで、この動きに反対を訴えているのは、「日本維新の会」所属議員が務める大阪府議会議長ただ一人である。都議会では、否自民である「都民ファーストの会」所属の尾崎大介氏が議長に選出された。ぜひ共闘をお願いしたい。

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