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2016/06/03

舛添知事。延命に手を貸すのは誰か。

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こんにちは。

東京都議会議員(大田区選出)のやながせ裕文です。

 

注目の都議会定例会初日。舛添知事の所信表明は、予想どうりのスカスカな内容であった。怒りを通り越してあきれるばかりである。

 

今日は、テレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」に、共産党、民進党、生活者ネット、かがやけ、の各会派と私という野党の現職都議5人で出演。浮き彫りとなったのは、野党間の温度差だった。

 

「即刻辞任」を主張したのは、私ひとりだけ。他会派は「総務委員会で追及」「百条委員会で追及」を求めている。「説明責任を果たさせる」という主張は、至極真っ当なものだが、これは「もろ刃の剣」となりはしないか。

 

「説明が不十分」だから辞職を求めないのであれば、委員会開催を先延ばしにすれば逃げ切れる。または、いろいろな理由をつけて委員会の時間を短く区切っていけば、いくらでも引き延ばしは可能だ。

 

会期末は6月15日。延長は考えられない。議会運営で主導権を握る自民・公明が、日程を引き延ばし、「舛添知事に関連する調査事項」を総務委員会の閉会中審査に持ち込めば、知事の延命はいくらでも可能となる。

 

つまり、議会運営で主導権を持たない野党が「説明責任」を求めていくことが、主導権をもつ与党に逆手にとられて、舛添知事の延命に手を貸すことになるのではないか。

 

また、「説明責任」を求める会派は、「総務委員会」や「百条委員会」において、どのよう状況となったら「辞職に値する」と判断するのか。

 

すでに舛添知事は、一連の問題に関連して3回の定例会見で釈明してきた。家族旅行の費用を政治資金から捻出し、「重要な会議」を行ったから問題ないと強弁した。会議が行われたかどうかに関わらず、家族旅行の費用を当たり前のように政治資金から支出する感覚そのものが問題なのだ。

 

たとえ「会議が実際に行われていた」ことが立証されても、舛添知事の「税金」「公金」に対する感覚が、都民感覚とかけ離れたものであることが明らかとなり、都民からの都政不信を決定的なものとした事実は変わらない。

 

いま、東京は、2020大会を前にして大切な時期を迎えている。大会費用の膨張を抑え、国や組織委員会との厳しい交渉に臨み、それでも膨らむであろう費用への理解を都民に求めていく。この事業には、強力なリーダーシップと都民からの信頼が必要不可欠である。舛添知事が、この困難な事業を完遂することは不可能だと判断する。

 

もはや都民からの信頼回復は不可能な状態だ。参議院議員選挙と都知事選挙のダブル選挙とすれば20億円の費用が浮くとの試算もある。だから一刻も早い辞任を訴えてきたが、スケジュール的には厳しくなってきた。

 

会期末までに、不信任決議を出す。必要なのは、与党に「舛添知事を支持するのかしないのか」を迫ることだ。難易度はかなり高いが「リコール」への道すじをつける必要性も感じている。

 

会期末はあっという間にくる。定例会が終われば、参議院議員選挙。その後は、リオ五輪が控えている。知事の話題を吹き消すのに十分なイベントだ。「説明責任」ばかりを追い求めて、舛添知事の延命に手を貸すことになってはならない。