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2016/03/17

舛添知事は、韓国人学校より保育所をつくれ!

お知らせ / ブログ / 活動報告

 

 

こんにちは。

都議会議員(大田区選出)のやながせ裕文です。

 

先日、舛添知事の都市外交について「都市外交で中国と接近。都知事の海外出張費は3億3千万円。」という記事をアップし、以下の主張をしておりました。

 

「外交は政府の専管事項であり、都が独自外交をすることは、国との二元性を逆手にとられて、外交巧者の他国に「利用されるだけ」という結果となってはマズイ。政府の足を引っ張ることだけはやめてくれ!」

 

そんな矢先、驚くべき報道が!

 

韓国政府に学校用地貸与へ 朴大統領要請 都「全力で協力したい」(産経新聞)

 

ブログでは触れていませんでしたが、舛添知事は「中国」との関係改善だけではなく、「韓国」との関係強化にも熱心で、就任後二回にわたって訪韓し、朴大統領とも会談をしています。その時、韓国人学校の用地確保を依頼され、都は未利用の都有地から候補を選び提示し、一定の合意に至ったとのことです。

 

 

今回の経緯を確認するために東京都の担当者からヒアリングをしましたが、私は三つの点で問題があると考えます。

 

まず、都では「保育所」や「特別養護老人ホーム」など福祉施設が圧倒的に不足しており、待機児童、待機老人が大きな問題となっています。この問題を解消するため、緑豊かな都立公園の一部を福祉施設に転用するなど、未利用の都有地を必死にかき集めています。しかし、まとまった土地はほとんどなく、活用は限定的で、解決にはほど遠い状況です。

 

また、障害をもつ子どもたちが通う特別支援学校は、入学希望者の増加に対応しきれず、一つの教室をカーテンで仕切って二つの教室として利用するなど、厳しい環境におかれています。これも、学校の増設ができない(土地がない)ことが原因として挙げられるでしょう。

 

つまり、まとまった広さを持つ都有地は、非常に貴重なものであり、都民の福祉や教育に最優先して使用されるべきものです。当該地の「都立市ヶ谷商業高校跡地」は広さ約6000㎡、新宿のど真ん中という好立地であり、行政需要は確実にあるものと考えられます。どこまで都庁内部で検証されたのか疑問が残ります。

 

二点目として、韓国人学校だけ優遇される理由はなにかという点です。都内には認可された外国人学校が26校ありますが、そのほとんどは自前で土地を確保し、校舎を建設しています。外国人学校の国別内訳を見ると、アメリカ・イギリス・フランス・台湾・韓国・北朝鮮となっており、他は対象国を定めないインターナショナルスクールとなっています。

 

つまり、ほとんどの国の外国人学校は存在しないのです。中国人学校ですら都で認可はされていません。そのようななか、韓国人学校は既に新宿区に存在しており、2校目を増設したいという要望なのです。

 

「なんだ、韓国人学校に貸す土地があるのなら中国人学校にも貸してくれ」と中国から要請を受けたらどう対応するのでしょうか?「大統領に要請されたから」といって、バランスや必要性をどこまで検討したのか疑問が残ります。

 

最後に、一番驚いたのが、都が国(日本政府)と何も話をしていないという点です。担当者から聞いて愕然としましたが、朴大統領から都知事が依頼され国が関与することなく、土地の受け渡しが行われようとしているのです。先日の記事で「二元外交」の問題点を指摘しましたが、都合よく舛添知事は「利用されている」のではないでしょうか。

 

国益がぶつかり合う政府間折衝では厳しい意見を闘わせ、のこのこやってきた都知事に裏でお願いごとをする。正式な外交カードとして折衝のテーブルにのることがないので、見返り(国益)も得られないでしょう。

 

はたして、都心一等地にある都有地を、韓国政府に優先的に貸与することによって、都民はどのような利益を得られるのでしょうか?

 

念のため申し上げておきますが、私は、韓国人学校の存在について問題にしているのではありません。福祉施設が圧倒的に不足し社会問題化するなか、自己満足的な舛添知事の「都市外交」のために、貴重な都有地が、他国の利益のために優先的に利用されることに疑義を呈しているのです。

 

しっかりと都に説明を求めていきたいと思います。