「平成27年度東京都特別職報酬等審議会の答申」が発表されました。
 

とにかく評判の悪い、議員の報酬額ですが、今年も金額の改定時期がやってきました。

 

今年もアップ!その額は、

 

1,000円!

 

となりそうです。うーん。

 

そもそも、知事や議員の報酬って、どうやって決まるのか?

 

それぞれの報酬は、知事は「東京都知事等の給料等に関する条例」、都議会議員は「東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例」という条例で、金額が定められているんです。

 

この条例を毎年改正して、金額の増減を調整している。

 

その条例案は、知事が提出し、議会の議決を経て成立します。つまり、自分たちの給料を、自らで決めていることになるわけですが。

 

しかし、さすがに、「自分たちで決めました」では格好がつかないし、金額の根拠もない。そこで知事が、「東京都特別職報酬等審議会」に諮問をし、その答申を受けて(意見を聞いて)条例案として提出するのです。

「東京都特別職報酬等審議会」で報酬額を検討するにあたって参考にした主な指標は以下の通り。

 

 

消費者物価(東京都区部) 0.7%
一般職の俸給(給料)月額 0.36%(官民較差相当分)
0.12%(公民較差相当分)
指定職の俸給(給料)月額 1,000円 引上げ(法案審議中)
1,000円 引上げ
内閣総理大臣の俸給月額 1,000円 引上げ(法案審議中)
国務大臣の俸給月額 1,000円 引上げ(法案審議中)
国会議員の歳費 改定なし

 

これらの指標を参考にして、知事や都議会議員の報酬1,000円アップを決めたわけですが、注目したのは国会議員の歳費。

 

国会議員の歳費=改定なし

 

 

となっているではありませんか!

 

つまり、国会議員はゼロ回答なのに、都議会議員は1000円アップ。なんだこれ。

 

なんでも、国会に準ずればいいとは思いませんが、整合性が求められます。そこで、どういう考えをとったのか、「答申」の意見を見てみましょう。

 

本審議会の意見

東京都の特別職の報酬等は、本来、その職務と責任に対応することが必要であり、これに加えて、一般職の給与改定及び国の特別職の報酬等の状況、社会経済情勢等を総合的に勘案の上、改定すべきものである。
東京都の一般職の給料月額について、本年度は、公民較差相当分の引上げの勧告が行われ、これに基づき、各職層の職責に応じた給与水準となるよう、給料表の改定が行われた。また、指定職の給料月額については、平成27年人事院勧告において国の指定職の給料月額が引上げとなったことを踏まえ、国家公務員との均衡を考慮して引上げが行われた。
国の特別職のうち内閣総理大臣等の俸給月額についても、今年度引上げ改定を行う法律案が審議されている。

これらの状況を考慮し、東京都の特別職については、報酬等改定の基準となる都の指定職給料表の改定内容を踏まえ、報酬等の額を引き上げる(0.09%、月額1,000円)こととする。

 

長い文章ですが、たいしたことは書いてありません。要約するとこんな感じ。

 

「都の一般職や指定職の給料があがった。さらに総理大臣の俸給もあがりそうだ。だから都の特別職(議員や知事など)も上げるのが妥当だ!」

 

このロジックって理解できます?
会社でいうと、課長や部長の給料が上がったから、社長や社外取締役の給料もあげてまえ。という乱暴な論理。というか、論理が転倒してますよね。
さらには、国会議員が改定ゼロであることには触れず、総理大臣だけ引き合いに出してることも理解に苦しむ。

 

いっそのこと、成果主義にしてみたら。

 

公務員の給料を決定するにあたっては、ベースに「公民比較」の考え方がある。いくつかの条件に適合した民間企業の給与水準を調査し、その水準と比較して「公」の現状が低ければ給与をアップする。高ければダウンするというもの。

 

調査対象となる民間企業を抽出する条件がおかしい、という指摘は過去からされている。それも問題だが、この「公民比較」という手法で決まった一般職や指定職の給与をベースに、知事や議員の報酬を決めるのには、違和感がある。

 

知事はシティマネージャーである。都知事は「東京」という都市の経営者だ。民間企業の業績や都内経済(日本経済)に影響を与えうる存在であることは事実だが、「それだけ」で評価することはできないだろう。都知事は福祉や教育、環境など、都民生活全般にわたって、責任を負う職務である。民間企業との公民比較では、その業績の一部しか反映しないことになる。

 

逆に言えば、なにも役割を果たさない知事でも、民間企業が頑張って業績をあげれば、連動して報酬があがることになる。議員も同じで、4年間1回も発言をしなくても、民間企業に準じた報酬を得ることができることになる。これは、どう考えてもおかしいでしょう。

 

かつて、ブータンにおいて「国民総幸福量(GNH)」が国家目標の指標として用いられていることが話題になった。「都民総幸福量」は大げさかもしれないが、都政が実現するべきことを数値化して、毎年、その達成度を検証して、通信簿をつける。それを知事報酬に反映させる。議員報酬(こちらはもっと手法が複雑で厄介だが)も連動させる。

 

都の財政改善(借金の減少、税収の増加)や新規起業者数、犯罪発生率、がん検診受診率、いじめ認知件数など、さまざまな指標がある。どの指標を採用するかが問題だが、都民を広く巻き込んで議論をすればよい。みんなで都が目指すビジョンについて、侃々諤々の議論ができれば最高だ。都と都民がビジョンを共有するいい機会となるだろう。

 

知事や議員が何をしているかわからない。政治が、前に進んでいるのか後退しているのかわからない。だから、政治から関心を失っていく。それは当然とも思える。

 

政治の成果を「見える化」して、知事や議員の報酬を成果主義とする。課題は山ほど思い浮かぶけれども、実現できれば政治に対する信頼を取り戻す一助となるのではないか。調査研究を進めます。

 

あっ、言い忘れてましたが、東京維新の会は、当然、議員や知事の報酬アップ条例案には反対の立場です。

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