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2013/03/14

公営企業を民営化せよ!【都議会一般質問】

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2月28日、第一回定例議会で一般質問をしました。

猪瀬知事に代わって初めての議会。改革へ向けての姿勢を問う質問を考えました!

「公営企業の民営化」「天下り・渡りの根絶」「外郭団体の廃止」というヘビー級のテーマですが、少数会派なので許された質問時間はたったの9分。

かなり早口となってしまいましたが、猪瀬知事からも前向きな?答弁を得ることができたかと思います。

ぜひ、動画をご覧ください。

以下、全文を掲載します。

「道路の権力」「日本国の研究」「霞が関解体戦争」「日本システムの神話」「壊れゆく国」

 過去の著作を読ませて頂きましたが、そこにあったのは猪瀬知事の「闘う姿勢」「改革への情熱」でありました。道路公団民営化、地方分権委員会、一貫して既得権益と対峙し、国益のために高い壁を突破してきた歴史を読み取ることができました。 日本の沈没を防ぐのは東京にしかできない。「現状を変え、改革のスピードを加速させてほしい」という都民の願いが「闘う改革派」の猪瀬氏に想いを寄せ433万票に至ったのだと考えます。

 知事は、この願いに応えなければなりません。

 「市場社会の中心部分に国営企業が鎮座して経済活動を妨げている様子は、いわば都心の一等地が有効利用されずにぺんぺん草が生えているような状態」と、その著書「壊れゆく国」のなかで述べられています。これは、官営企業が市場を大きくゆがめ、成長の阻害要因となっていることを喝破された言葉だと思います。「民でできることは民に」今でこそ大きな掛け声となっていますが、知事は20年以上前から呪文のように唱え続けてきました。

 

東京都にもさまざまな公営企業があります。バス・地下鉄・上下水道、これらの企業は不断の経営努力を重ね、成熟した優秀な企業に育ちました。子どもを育てるのが親の役割、成人した子供は独り立ちさせるべきです。この都の大事な資産である公営企業を、更に都民におおきな利益をもたらす存在となるように、次のステージ・「民営化」に移す段階が来ていると考えます。

 

都営バスは、一部の路線で「はとバス」に運行管理の委託を行っている。この路線では直営で実施した場合に比べて3割コストが削減できた。つまり、民間に任せたほうがコストが3割安くなるという実績があるんです。赤字を解消し、都民の利便性を向上するには民営化が必須であります。都内では交通網が発達し、地下鉄が複雑に張り巡らされるなか、都による公営バス事業の役割は終わっています。

民でできることは民でやる。そのほうがうまくいく。

路線を維持するためにも「民営化」し、経営の効率化をはかり、それを原資として料金の値下げや価値の高いサービスの提供などさらなる都民の利益を求めるべきです。そして、しっかりと納税してもらう。そのような企業に育てるべきです。都営地下鉄は、東京メトロとの一元化の問題があります。一元化は都民に大きな利益をもたらすものであり積極的に進める施策です。一元化とその民営化によって、公営企業ではできなかった付帯事業・また沿線開発など活性化する投資は、東京の発展に寄与することは間違いありません。

上下水道はどうでしょうか。水道事業はキャッシュが1000億円を超えるという、異常なほど素晴らしい財務状況を誇っていますが、私は、ここから「もっと成長できるけれど、公営という枠に無理やりおさえこまれている。」そんなメッセージを感じます。都は世界一の技術をもって国際展開していくとしていますが、現状は厳しい。フランスの水メジャーであるべオリアはすでに埼玉県や千葉県、広島市などで、浄水場・下水処理場の管理を受託、大牟田市では浄水場を買収。昨年から松山市の水道事業を委託されました。日本企業が海外市場に参入するどころか、国内市場が海外の水メジャーに脅かされている現状が残念でなりません。これまでは、実績がないことを理由に水メジャーを排除してきた各自治体も、今後なだれをうっていくでしょう。東京都水道局は世界一の技術と1300万都民においしい水を安定供給してきた実績があります。しかし、公営企業では限界がある。「なぜ東京都がするのか」という説明が求められますから、世界展開はあくまで国際貢献レベルが限界です。水ビジネスは初期投資が大きくリスクをとらなければならないですし、何より意思決定の速さが肝心だからです。

 

そこで、安全や安定供給に関してはしっかりと規制をかけることを前提として、水ビジネスを成長産業と位置づけ水道局を民営化する。プラントメーカーや商社と共同して和製メジャーを目指す。その企業体を政府と東京都が応援する。将来的には、利益をあげて、納税、配当、料金値下げ、雇用の創出など還元してもらう。これこそ、東京が、その財産を活用して、日本を牽引するモデルを構築することになるのです。もう一歩ふみだしたらどうでしょう。「新幹線の技術が海外に行っているのと同じように、高速道路の技術も海外に向かっている。それは民営化されたからできたこと」猪瀬知事の言葉です。国鉄はJR、電電公社はNTT、専売公はJTになりました。道路公団も忘れてはなりません。これらの企業が官から民へ移行したことが、我が国の経済を活性化し発展に大きく寄与したことは周知の事実であります。

東京都は公営企業の民営化にふみだすべきと考えますが、今後の公営企業の在り方について知事の見解を伺います。

 

民でできることは民で。これを徹底する。民間活用は、サービスの向上・効率化だけでなく、民間にお金を回すことによって、地域経済の活性化や雇用の創出につながっていきます。都庁が仕事を抱え込んでいてはいけません。同じテーマで、外郭団体と天下りの問題に移ります。まず、過去10年間の局長級職員の退職者数と、そのうち外郭団体に再就職した職員数について、それぞれ10年間の合計数を伺います。また、都の幹部職員が外郭団体に再就職した後、別の団体に再就職することについて、状況を把握しているのか伺います。

 

毎年のように定例監査で指摘されている事項があります。「合理的な理由がなく特命随意契約を締結していた」という指摘です。「合理的な理由がない」というのは、「特命にする理由がない」のに無理やり「特命にした」ということなんです。過去10年間で68件。定例監査は膨大な事業・契約の一部を調査するものです。この68件は氷山の一角と言えるでしょう。ひとつ例をあげると、平成23年度交通局、日暮里・舎人ライナー車両保守委託。監査報告書を抜粋すると「この契約を平成22年度までは業者Bとの間で特命契約をしてきたが、23年度に東京交通サービスに変更し特命契約をした。しかし、状況を確認すると、交通サービスが業者Bに再委託していたことが判明した。だから交通サービスと特命で契約する必要は認められず適正でない」こんな話です。東京交通サービスは東京都が100%出資する監理団体。常勤役員3人は全て都の退職者。常勤職員のうち都の退職者は94人。天下りを受け入れている外郭団体が公営企業からの随意契約によってその事業を総取りし、その実施は民間企業に丸投げをしているのがこの例であります。局からの資料によると、各局から監理団体への特命随意契約の状況は平成23年度分で312件、986億円にのぼります。

 

猪瀬知事が1996年に書かれたのが「日本国の研究」。そこで明らかにされた官営事業の構造的な問題が、この東京に、さまざまな改革に取り組みながらも、未だに存在するのではないでしょうか。「日本システムの神話」のなかで、猪瀬知事は「天下り」をこのように述べています。「天下りというのは簡単な問題ではありません。国営企業という構造が問題です。民営化することによってコストを削減し、競争入札を導入することによって整理していく。廃止か民営化しか、彼らを整理することはできないのです。(中略)治療には劇薬が必要です。天下りというのは表面的にみえるようで、じつは根深い問題なのです」

 

都はこれまでも外郭団体、監理団体改革について取り組んできました。その結果、団体数の半減、都派遣職員の削減、包括外部監査の導入など成果をあげてきました。最後の総仕上げは、この問題をライフワークにしてきた、猪瀬知事に託されたのです。今後の行革の観点から、公営企業の民営化の検討、外郭団体のゼロベースでの見直し、都の幹部職員の外郭団体への天下り・渡りの根絶、都庁全体の事業の総点検について、知事の見解を伺い私の質問を終わります。