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2011/11/09

震災瓦礫の受け入れが始まった【その4・課題】

お知らせ / ブログ / 放射能と闘う

震災瓦礫について多くの皆様からのご意見を頂き有難うございます。

視察に行くにあたって、震災瓦礫受け入れに対する態度は11月3日のブログで明らかにしましたのでご覧ください。

今回は、宮古市の瓦礫がどのような状況にあるのか、誤解されている方も多いので基礎的な情報を載せてみます。 

 

まず、受け入れる震災瓦礫がどの程度の放射能濃度かということを確認します。

岩手県による「災害廃棄物の放射能試験結果の報告」をご覧ください→震災瓦礫放射能濃度結果

宮古市藤原埠頭の瓦礫(7月13日採取)は0~135Bq/kg

 

次に、宮古市の「ごみ」がどの程度汚染されているかを確認します。 

宮古市における一般ごみ焼却灰の状況はこちら→一般廃棄物焼却施設における焼却灰の測定結果(9月12日現在)

宮古清掃センターの焼却灰(7月21日測定)は飛灰240Bq/kg、主灰40Bq/kg

(参考)東京23区清掃一部事務組合における焼却灰等の放射能濃度測定結果 http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/topics/shokyaku.htm

(参考)東京都の下水処理における放射能等測定結果http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0565.htm

 

そして、宮古市の空間線量から、市内の汚染状況を確認します。

宮古市の空間線量はこちらをご覧ください→http://www.city.miyako.iwate.jp/cb/hpc/Article-7143.html

宮古市内は毎時0.04~0.09μSv

 

 

これらの情報を検討すると、宮古市の放射能汚染状況は東京都とほぼ同等といえるかもしれません。(だから安全だと言っている訳ではない)

 

そして、今回(11月3日)搬入された瓦礫は、視察で確認した東京都の測定においては放射能をほとんど帯びていないことがわかりました。

しかし今後の測定結果を注視する必要があります。こちらをチェックして下さい。http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/disaster-waste/index.html

 

石原知事は、私たちが求めた「慎重な検討」もなく「都民に対する丁寧な説明」もなく、瓦礫の受け入れを急遽決定し、電撃的な実施をしました。これは「都民」への誠実さを欠いているし、不安を感じさせる結果となってしまい猛省すべきです。

 

では、メディアを含めある意味無条件に「受け入れせよ!」の大合唱のなかで、いまやらなければならないこと(私にできること)は何か。

 

それは、今後継続的に「放射能濃度の高い」瓦礫を持ち込ませないための対策づくりです。

 

そもそも環境省が「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドライン」で定めた焼却灰8000Bq/kgという基準は、根拠が脆弱であり、とても安全とはいえず「安心」からはほど遠いものです。

国は、理解が得られていないこの基準を撤回し、震災瓦礫を広域処理する基準を「クリアランスレベル」を参考に放射性セシウムで100Bq/kg以下とするべきだと考えます。そして、国が行動しなければ都が独自に基準を設定する必要があるでしょう。

クリアランス制度とは、原子力施設において用いた資材等について、それに含まれる放射性物質の濃度が「クリアランスレベル」(人の健康への影響を無視できる放射性物質の濃度)以下であることを国が確認する制度のことです。国の確認を受けた資材等は、原子炉等規制法の規制から解放され、通常の産業廃棄物又は有価物として、廃棄物・リサイクル関係法令の規制を受けることとなります。 (文部科学省HPより)

ちなみに、今回の宮古市からの瓦礫は岩手県の実測値を考慮すると、「クリアランスレベル」程度であると推測される。

どこまで受け入れられるかはわかりませんが、訴えていきます。

 

そして次の課題は、膨大で不均一な瓦礫をいかに正確に測定できるかです。

現状の空間放射線量の測定では一定の評価はできても、瓦礫に対する放射能の影響を正確に図ることはできません。放射能濃度の測定は7月に岩手県が実施したのみです。まずは細かくゲルマニウム検出器で測定していくことが必要です。この点についても要請をしていきたいと思います。

 

なお、東京都の下水処理場は深刻な問題を抱えており、これまで追求してきました。6月~7月のブログや議会質問の動画をご覧ください。http://www.youtube.com/user/YanagaseChannel#p/a/u/2/RcN4IzOE0hs

 

明日は都内での破砕処分施設、焼却施設そして中央防波堤を再度視察に行きます。