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2011/09/20

輸入食品の放射能検査を東京都が中止していることについて

ブログ / 放射能と闘う

「東京都は輸入食品の放射能検査を中止している」

とつぶやいたところ、非常に多くの方から質問やご意見を頂戴しました。

そのなかには、一部誤解されている方などもあったので、再度、詳細をブログにアップしたいと思います。

 

東京都はチェルノブイリ原発事故から24年間、放射能の影響から都民を守るために輸入食品の徹底した検査を実施してきました。

輸入食品中の放射能濃度(平成21年度)

http://www.tokyo-eiken.go.jp/issue/journal/2010/pdf/01-29.pdf

 

この検査では、例えば平成21年度は328件検査しフランス産ブルーベリージャム1検体から500bqを検出するなど、成果を上げています。

 

しかし、3月11日の原発事故以降、この検査は中止しています。

担当部局に理由を聞いたところ、「検査機器が古くなっている」「国内品の検査体制との兼ね合い」等の理由とともに「基準値の問題」があるとのことでした。

食品衛生法には定めはありませんが、通達のなかで「輸入食品は放射性セシウムは370Bq/㎏を超えたもの」について、食品衛生法6条の2に該当するとしています。

 

第六条 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

二  有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

 

しかし、国内の暫定基準値では放射性セシウムは500Bq/㎏となっており、輸入食品は370Bqで国内産品は500Bq とダブルスタンダードになってしまっているのです。

たとえば、輸入食品の検査で370Bq~500Bqのものが発見されたらどうするのか。本来は廃棄回収されなければなりませんが、国内では500Bq未満のものが出回っているという、矛盾・不公平がおこってしまうのです。

それが先ほどの東京都が検査を中止した理由の 「基準値の問題」ということです。ホントにおかしな問題です。

 

そもそも輸入食品の監視・検査は国の役割であり、国は「検疫所」を設け、「食品衛生法」に基づき、輸入食品等に起因する衛生上の危害を防止し、国民の食生活の安全性を確保する観点から、輸入食品等の監視・指導を行っています。

自治体は、輸入食品の放射能検査をする義務はありません。厚生労働省の輸入食品安全対策室に確認しましたが、「あくまで自治体の判断です」とのこと。

しかし、都民の不安があり、都民の健康を守るために、東京都は24年間検査を続けてきた。

 

私が言いたかったのは、

 

東京都は、これまで都民が内部被曝をしないように大変な努力をしてきた。そこで培ってきた能力を、今こそ生かすべきではないか。そして、その努力を続けなければならない。

それが、これまで実施してきた輸入食品の検査を「中止」し、消費地としての「検査もしない」というのでは、都民の健康を守ろうとしているとはとてもいえないのではないか。

 

ということです。

 

明日(9月21日)から都議会第3回定例会が始まります。

しっかりと都の姿勢を正していきたいと思います。