MENU

2011/07/11

頑張れ!太田教授

ブログ / 放射能と闘う

汚染された下水汚泥問題に取り組んで1ヶ月以上が経ちました。周辺環境への影響が最大の懸念事項ですが、常に考えていたのは「根本的な解決方法はないか?」ということです。今後も長期間にわたって上下水汚泥は放射性物質によって汚染されつづけることが予想されます。現状、国や都がとっている施策は「日常のフローを止めない」ことを目標としています。毎日、大量に発生する汚泥の処理を止めてしまえば、保管場所もなくなり困難な状況に陥るからです。

しかし、「日常のフローを止めない」ために「都民の健康」を犠牲にしてよいわけではありません。当たり前ですが、「都民の健康」の確保が第一にあって、その上で日常業務に支障がないような流れをつくることが必要となってくるのです。では、大量に発生する汚泥を「都民の健康」を確保しつつ処理しつづけるためにはどうしたらよいのか。作業の流れのなかで、汚泥から放射性物質を抜き取ればいいのです。汚泥は密閉された管を通って処理場に到達し、そこでさまざまな処理を受けて燃やされ排気ガス、汚染水、汚染焼却灰を生み出す仕組みとなっています。ですから、燃やす前に放射性物質を取り出してしまえば、汚染ガス、汚染水、汚染灰を出すことはありません。取り出した廃棄物は、厳重に管理し、国と東電にお返しすればいいのです。

これは夢のような話ではなく、行政(知事)のやる気とコストをかければできることなんです。技術はあります。写真は金沢大学の汚染処理チームを率いる太田富久教授ですが、このチームの技術は素晴らしい。私は太田教授と、下水汚泥処理過程で放射性物質を除去することができないか、意見交換をさせて頂きました。

太田教授は協力を約束して下さり、いま実際の下水汚泥サンプルを使った実験中です。その様子は新聞記事のなかでも一部取り上げられています。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=43591&from=tb

実験の精度など確認をするために、近々金沢大学を訪問しようと考えていますが、課題をあげておくと「どれだけの割合で除去できるか」「既存のプラントにどう設置するか」「廃棄物の処理方法」「コスト」などです。都には、法律の基準以下だから問題ないなどといわず、将来の世代を考えて、このような技術の導入を真剣に検討してほしい。心よりそう願っています。

インタビュー動画はこちら→ 
その1

その2