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2011/04/03

豊洲の液状化は大丈夫か?

ブログ / 震災・復興

今回の東日本大震災において東京近郊で最大の被害を受けたのが浦安市です。地震発生から2週間後に、液状化が問題となった豊洲(新市場予定地)と浦安へ視察に行ってきました。浦安は深刻な状況でしたが、こちらはまた後日レポートするとして、今回は豊洲のはなし。

報道で豊洲の液状化が報告されていましたが、日数が経っていたからかその状況ははっきりとは確認できませんでした。新聞では、5街区で水を含んだ砂質土が噴出している箇所が写真に写されており、地震でなんらかの現象が起きたことは確かである。東京都に問い合わせると「砂が噴き上がる現象は確認しているが詳細は調査中」とのことでした。

 そのような状況にあるなか、3月31日に東京都は、東京ガス株式会社及び東京ガス豊洲開発株式会社との間で、豊洲新市場予定地における土地売買契約を締結しました。また、東京都が実施する土壌汚染対策について、東京ガス株式会社及び東京ガス豊洲開発株式会社が、費用の一部(78億円)を負担するとの合意がなされています。

これはおかしい!
築地市場の豊洲移転が、関係者の合意を得られたとは言えず、また、地震による液状化現象の状況も明らかでない中での契約締結は、今後、大きな禍根を残しかねません。

そもそも石原知事は、3月22日の記者会見で「液状化に対する対処法をどうするのかというためにも、オープンな形で調査する」旨発言していました。まずは、液状化が起こった場所や深さや規模、さらには、表層に見える形で噴砂していなくても、内部での流動化による汚染拡散の有無なども含めて、詳細に、かつオープンな形で調査し、その結果を速やかに公開すべきです。 

その上で、液状化の起こった前と後とで、対策工事を行う場所、深さ、工法は変わらないのか。すでに三月十八日を期限として、取りまとめられている土壌汚染対策の詳細設計は、何ら変更の必要性がないのかなどについて、専門的な見地から改めて検討すべきです。その結果をもって、土壌汚染対策の費用負担について話し合いをすることが必要と考えますが、とにかく「大震災」にみんなの目が向いている間に、どんどん既成事実を重ねていこうということなのでしょうか。

 東京都は、この間「二重、三重の対策を行うことから、安全性に問題はない」と答弁してきましたが、技術に対する過信こそ、今、戒めなければなりません。また、今回の原発事故によって、政府や自治体などがいかに安全性を強調しても、地域の農産物等に対する風評被害が極めて甚大であることを踏まえれば、土地売買契約の締結を急ぐよりも、まず第一に、その土地の安全性・信頼性の確保に向けた取り組みを優先させるといった姿勢こそが求められていると考えます。 引き続き築地市場問題に取り組んでいきます。